2016年12月
日付が変わる少し前。
ツレがいきなり描き始めた。
何描いてるの?
ていうか何その紙?
グシャグシャだし。
描いたものは
こぶとり爺さんみたいなサンタと
ヤル気なしトナカイ ← 時給980円らしい
こぶとり(小太りではなく)爺サンタは
ヒーター付きのそりに乗ってるらしい。
冷えるもんね。
爺さんだしね。
更に
巨大雪だるまと笠子地蔵。
こぶとり爺サンタは
東北エリアが担当らしい。
ここまでの全貌。
2016メリクリ、と書いてある。
貼るわけでもなく
ツレに持たせて一応撮影。
二人で笑いながら
ツレが二分くらいで描いて
二人で笑いながら
私がこのように撮影して
もちろんそのあと速攻で捨てた ←
こんなツレが大好きだなぁ、と思った。
まさにワレナベにトジブタ的な我らの
クリスマスイブ2016。
昨夜は渋谷駅に降りた。
ハチ公前、スクランブル交差点、109…
イカレた街だといつも思う。
四方八方、上からも下からも
わけのわからない音楽が投げ付けられ
垂れ流れし続けられる映像と電飾の渦に
頭がおかしくなりそうだ。
渋谷駅。
十代の頃は恐怖を感じる場所だった。
二十代前半は成り行きから
道玄坂で働く事になり
毎日通う事で少し慣れた気がしたが
二十代後半で東京を離れ
三十代後半でまたこの地に戻った。
やっぱり私はこの街が大嫌いだと思う。
もう恐怖は感じないが
嫌悪を通り越して
憎悪に近いようなものさえ感じる。
恨みも憎しみもないはずなのに
何故だろうか。
誰かと一緒ならまだいい。
誰かと一緒なら、自分もまた
この雑踏の一部だという顔ができる。
けれど一人で歩いていると
ただそれだけで鬱が酷くなるような街。
自宅の最寄り駅ではなく
渋谷駅に一人で降りたのは
ある物を買うためだ。
それを無事に買えたので
スクランブル交差点を西武側に渡った。
二つ目の角を左に曲がって
緩やかな坂を上る。
人が多すぎて
『 買った物 』が潰れそうになるのを
必死にかばいながら歩く。
道中の街路樹は
イルミネーションが灯されている。
駅周辺は緑色の灯りだったが
代々木公園が近付くにつれて
それは青で統一されている事に気付く。
そう、公園通りを抜けて
NHKから代々木公園に向かう道は
今年から大掛かりなイルミネーションが
施されている。
誰もが馬鹿みたいに
スマホで撮影していたので
私も負けじともっと馬鹿みたいになって
『 買った物 』を抱えながら
一人で撮ってみた。
青の洞窟、と言うらしい。
確かに壮観であった。
洞窟を抜けて代々木公園側に歩くと
途端に人が少なくなった。
夜の闇に沈む代々木公園を撮ってみた。
昼間は常緑樹が茂る森も
夜は暗くてただの闇にしか映らない。
イルミネーションは確かに美しいが
私にはこの闇の方が美しく見えた。
そのまま歩いて実家に寄り
『 買った物 』を母に渡した。
昨日は12月21日。
母の誕生日。
まるで毎年の結婚記念日に
薔薇の花束を贈る律儀な亭主のように
私は毎年、母の誕生日に
母の好きなカサブランカの花束を贈る。
実家と離れていた時は送って貰っていた。
ずっと変わらない習慣。
ずっと変わらないカサブランカ。
変われないようで変わっていく私。
変わらないようで老いていく母。
青の洞窟の中で
その花束を撮ってみたら
何にも加工をせずとも
何だか凄い画像になった。
さすがイルミネーション。
これもまた
誰もが魅了される冬の灯りの魔法だろうか。
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